ブルーミング中西株式会社
ホテル事業部長
池田様
30年以上続く一体感
(ブルーミング中西 池田様:以下 池)僕が入ってきた時にはほとんどテーブルクロス売上で成り立ってる事業でして、そのテーブルクロスとかナフキンを作ってるカタログがほとんど服部さんのカタログで、問い合わせ含め勉強含め、全て服部さんの方に聞いているような形でしたね。もう販売会社みたいな感じです。
(服部テキスタイル 服部:以下 服)確かに、生産会社と販売会社みたいな。一心同体みたいになってしまっていたよね。
(池)すべてのものづくりの相談もさせてもらっていたし、もちろん生産側の条件もあるので、そこのすり合わせが日々の業務というか日課になっていましたね。
(池)僕もこの業界長いんです。30年近くになるんですけど、ここまでモノに対して熱意があって知識が深い方は多分もう右に出るものはいませんし、入社したばかりの22歳の若造でもすごい大事にしてくれるのが服部社長でしたから、そのお人柄にも惚れました。
もちろん商品力あってのところはありますけれども、それがあったからずっと長くお付き合いできるというところもあると思いますね。
メーカー提案型のものづくり
(池)僕らからこういうものが欲しいということを申し上げることもあるんですけど、どちらかと言えば服部社長にたたき台を作っていただいて、それをもとに話を進めていくというパターンが今まではかなり多い気がしますね。
(池)そんなに新商品がどんどん出るような業界ではないんです。ひとつのいいものを長く、50年後も使えるような商品・ものづくりをするというのがこの業界のテーマではあると思うので、
そういったものづくりで僕らが考えたものとか、市場で手に入れた情報を社長にフィードバックすると、いろんな形でこう商品化してくれて…という、その繰り返しで商品開発ができていってるという感じです。
(池)GOTS(オーガニックの繊維製品の認証)なんかはそうですね。
この認可が取りたいから、ちょっと服部さんぜひ一緒にやらせてくださいっていうのはお願いしますね。僕らは販売会社で工場を持っていないので、そういったところに協力していただかないとなかなか難しい部分もありますし、服部さんを目の前にして申し上げにくいんですけど、いろんな工場さんと直接やらせてもらっている中で、前向きにいろいろ取り組めるところが服部さんなので、そういったところの新しい商品開発とか新しいビジネスとか、そういったものは最初にお声掛けさせてもらえるような形が多いですね。
品質を求めると最後には服部テキスタイルに頼るしかない
(池)もちろん技術は一番ですけど、どうにか形にしようというか、僕ら以上に熱い想いを持って、さらにいいものを作り上げてきてくれるってところは、本当に服部さんならではというか。
逆にそこまでこだわりますか?みたいな。
(池)僕らもこだわりたい商品をあえてお願いしています。例えば値段だけの商品とか、どこでもできるような商品を服部さんに頼むっていうのは、ちょっと筋が違うかなという。
日本で初めてこの業界で国際認証を取るとなったら、やはり服部さんの力を借りないといけないとか。
この業界でブランドを作ろうとなったら、やっぱり服部さんのところしか頼るものはないなって。ものづくりはもうそこありきで考えました。
(池)僕らの部隊はお客さんの支持を受けてものを作ることが多いので、自発的な発信できる商品が非常に少なかったんですけど、やっぱりそれでは駄目だなというところで、うちから発信できる商品を作りたいなと思った時に、もう組むのは服部さんしかないかなと。シーツとかUVカバーとかピローケースとかいろんなものづくりを2年くらいかけて開発してもらいました。
(池)100年先も王道としたラインを示せるようなものづくりをしたかったので、その道しるべが服部さんのおかげでできたのかなっていうのは感じました。
良いもの本物志向のものづくり。作る側と買う側
(池)やっぱりホテルの部屋を選ぶ理由に、リネンっていうのがどんだけ重要になってくるかというのが、多分僕らの業界が生き残る大きな理由。今はその滞在している環境とかアメニティがいいとかベッドがいいとかって、そういう切り口が多いんですけど、そうではなくて、あの寝心地のあのシーツが良かったよとか、そういう声がもっと聞こえてくるような、価値観の上がるような活動をもっとしないといけない。服部さん任せじゃなくて、僕らというか業界で盛り上げていかないといけないかなって。
(池)今は時代に逆行しているというか、業界自体が盛り上がる一方で、そこの価値観がどんどん下がってきているというのが僕の感じているところです。
「いやいや、そんなにこだわらなくてもいいやん!お客さん来てるんだし、いいホテル作っても安いシーツでいいんじゃない?そんなわかる人いないんだし」という人が増えてきている感じ。もうちょっと差別化は必要ですし、価値のあるホテルにはそういった商品を使うという意識の高さも持ってほしいなというところですかね。
(服)みんな統一してどこもギザクラブにしたらいいんですけど。
(池)それだけ高級なホテルがもっとできればいい。やっぱり、世界的に見ても日本に高級なホテルは少ないですから。そういうホテルがもっともっと増えてきたら、その価値も高まるかもしれないですね。
サスティナブルの流れをつかむ展開へ
(池)サスティナブルですね。環境に特化している工場とか。あとは超小ロットとか。世界の流れ的にどうしてもそういう環境に配慮していかないといけないと思うので、そういったところは今後の課題になってくると思いますね。日本は特に遅れていると思います。
(池)GOTSという国際認証。世界的には1万社以上あるんですけど、日本はまだ20社ぐらいしかないんです。なぜなら、日本の工場って分業なんですよね。
縫製・織りはここ、染めはここ…となっているので、そういった意味で取りにくい。トレーサビリティに繋げにくいところが非常に大きいと思うので。しかし服部さんのところは一貫生産なので、GOTSを取る力があると。すごい働きかけやすいですね。
(池)海外でもあまりやってないようなものづくりでラグジュアリーホテルのサスティナブルの方向を刺激するとか、要は彼らがお客様に対してアナウンスできたり。
自分達をコマーシャルできるツールを提供してあげないと。そこまでプレゼンしないといけないなというのは感じますね。物を売るだけではちょっと苦しいなって。
(池)シックスセンシズとかバンヤンツリーって、サスティナブルな高級ホテルなんですけど、徹底していますよね。もうプラスチックはホテルで使わない。ペットボトルの水はもう部屋に置かない。水は自分で汲んで瓶に入れるとか、調味料も買ってこない。それで、その調味料の、例えばオリーブとかは全部裏の畑で自社で作る、出てきた残飯を肥料にするとか、徹底してるということが、この先のラグジュアリーのホテルになってくるんじゃないかなと思いますね。
だから、リネンまでまだ来てないっていうのが悔しくて。それだけ徹底しているのに、シーツ・タオルは違うのかってところが。
海外メーカーと比べると品質がぶれない安定感
(池)例えば、同じ糸の同じ規格のものを使っても、例えば海外でものづくりをしたら、同じ糸使い、同じ規格なのに次買った時に良くなったり、悪くなったりするんです。初回と違うじゃないかとか。サンプルと違うとか。それは頻繁にありますね。
だけど服部さんは高いレベルでずっと安定しているというのが、これは相当の武器だと思いますね。
多分今のギザクラブの300を5年後に買ってもモノは変わらないと思うので、それはなかなかない。
(池)あとは耐久性というか、洗っても品質が変わりにくい。硬くなりにくいというか、逆に良くなっていくんじゃないかなという感じです。柔らかくなりますね。
柔らかくてもテロテロというわけじゃなくて、コシがある中でずっと安定してるし、使えば使うほどみたいな部分もある。デニムとかシャツとか、こだわる人はこだわるじゃないですか。洗っていっても丈夫だし、このディテールが…っていう、ああいうイメージですかね。
(服)大変参考になりました。ありがとうございました!